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さあ、本日ご紹介するのは、キングコング西野亮廣さんが監督・脚本を務めた絵本を映画化したこちら
「えんとつ町のプペル」です。
物語は、黒い煙に囲まれたえんとつだらけの街で、夜空を駆ける配達員が落とした心臓から生まれたごみ人間「プぺル」と、父親を亡くし、友人もいない「ルビッチ」が出合い、ルビッチが父親から聞いた「空には輝く星がある」という言葉を信じて、二人で星を探しに行くというお話です。
いい意味でも悪い意味でも話題のこの作品ですが、自分はそのオンラインサロンにも入ってないですし、かと言ってアンチでも無いです。お笑いにもほぼ興味無いので面白いのかどうかもわかんないんですよ。彼の印象はネットとか見てるだけなんですが、「アタマ切れる人だな」ってイメージしかありません。なので、映画好きとしての感想です。
ここからネタバレ
ちなみに、原作になる絵本を最初に読んだ時の感想なんですが、ラストシーンで照れて鼻の下をこするプペルを見たルビッチが、プペルの正体は行方不明になった父ちゃんだって気付くんだけど、印象薄いからすっかり忘れてる訳ですよ。なんで、「え? 父ちゃん? そう言えば出てきたな……」ってかなり唐突なイメージが強かったんですね。まあ、やりたいことは解るんだけど、そのオチにするには絵本という媒体だと尺は足らないし、詰め込み過ぎだなー。って感じです。だって思わず読み返しましたからね、二回ほど。
でもまあ、物語は置いといて、宣伝とかの仕掛けは上手いよね。と言うのが最初の感想です。
そして映画化のニュース見て、あの絵本どうやって膨らませるんだろうかと。
映画にするとなると、少なくとも80~90分以上じゃないですか?
で、観に行きました。公開初日の12月25日、クリスマスですねー。
観終わった後、なんていうんだろう……なんかモヤっとしたね、なんとも言えない気分でした。
自分ね、涙もろいんですよ。映画館だろうがなんだろうが、良い作品観たら人目関係無くガチ泣きします。
でもこの「プペル」は物語に入っていけなくてだんだん冷静になってっちゃったんですよ。
なんでかって言うと、初っ端いきなりダンスシーンから始まるんだけど、そこからラストまで、ま、いわゆる売れた映画で観た事のあるようなシーンが結構あってで、「これやっとけば売れるだろう」っていうシーンが続いて、なんか既視感がバリバリなのもそうなんだけど、「さあどうだ!」「感動するでしょ!?」って聞こえてくる感じがずーっと続くんですよ。
まあ、どういう事かと言うと、全体的にメッセージ性が凄く強く、更にそれを登場人物がセリフで言っちゃうんで余計なんか「ちょっと待って」って感じになっちゃうんですよ。
自分思うんですけど、どんな作品にも作ったクリエイターの主張ってのはあるんですよ。無い方がおかしい。でもね、作品を通して言いたい事って、全体の5パーセント位がちょうどいいと思ってるんですね。
この「えんとつ町のプペル」だったら「夢を持って行動する人を笑うな」ですよね。
これが強すぎるんですよ。
ホントはね、ラストのルビッチとプペルが乗る船に観てる人の気持ちが一緒に乗らなきゃいけないんですよ。
そして、爆弾を爆発させて満点の星を見て、スクリーンの中の人たちと一緒に「わぁあ!!」って感じないといけないんですよ。
それ以前に、ルビッチたちが船に乗り込む際のシーンでも、「行け! 行けルビッチ!」ってならないといけないんだけど、ストーリーの組み立て方や強過ぎる主張が完全にノイズになっちゃって、二人に感情移入しなきゃいけないのに置いてきぼりになっちゃった感じが凄くするんですよね。
だから言いたい事、伝えたい事はもっと抑えて、観た人たちが作者が伝えたい事を感じて、作品のテーマを自分で「そうだよ! 夢を追う事は素敵な事なんだ!」って思えるように作って欲しかったというのが、自分の感想です。
もちろん、いい所もたくさんありました。
えんとつ町の描写やラストの星が現れるシーンなんかはとても素敵だし、腐るお金とか異端審問所とかのえんとつ町の設定はともかく、美術の世界観は見事だった。 それだけでも観て良かったって思うんですね。
だからもったいないんですよ。
色々言われてるけど、西野さんて、他には無いオンラインサロンって言うネットワークを持っている訳だし、それだけ熱心になってくれる人達がい大勢るんだから、作品自体にもっと説得力を持たせなきゃいけない。
泣きましたーとか著名人のコメントが結構あるんだけど、それは西野さんを知ってる人が本人を作品に重ねちゃってるところが大きいと思うんですよ。だから、そんなに思い入れが無い自分なんかからしたらこういうような感想になっちゃうんですよ。
思うんですけど、今回西野さんは、原作、脚本、製作総指揮を務めてるんだけど、このプペルを見る限りでは、脚本やストーリーの運びはプロの人に任せて、原案という形にして、納得いくまでプロットを脚本の方と詰めて陣頭指揮をとるみたいな、そういう形がベストなんじゃないかなと思います。
ま、もちろんね、こういうストレートな方が刺さる方もたくさんいると思いますよ。
でも、やっぱり、テーマは押し付けるんじゃなく、見終わった後、余韻と共に観た人の心に感じさせる。自分はそれがエンターテインメントなんじゃないかと思うんです。
でも、映画としては一作目ですからね。次作に期待したいと思います。はい。
そしてこの作品は、子供向けと言うよりも大人向けのおとぎ話だなって思いました。
更に突っ込んで言うと、「夢を追って行動した、してるけど馬鹿にされたり笑われた人」への救済の物語ですね。
自分も昔目標に向かって頑張ったけど叶わなかった経験があります。もちろん、面と向かって笑われたり馬鹿にされたりして悔しい思いを事もありましたし、いつか見返してやろうって思った事もありました。
でもあんまり響かなかったんですよね。
逆に冷静になっちゃった分、この話書いた人は相当気にしてるんだろうなーって感じました。
まあ、これはあくまでも個人の感想ですけどね。
最後になりますが、新海誠さんの「君の名は」以降続く曲流してダイジェストで時系列を進める演出はいい加減やめたほうがいいと思います。 同じ日に「ジョゼと虎と魚たち」も観たんだけど、二作とも同じようにやってたんで「うへぇ」ってなりましたよ。、ホント。
さあ、それでは本日はこの辺りでお仕舞いにしましょう。
またお会いできるのを楽しみにしています。本日はどうもありがとうございました。