ツッコミどころを凌駕する大迫力の怪獣バトル「ゴジラVSコング」感想

ゴジラVSコング感想

さあ、本日ご紹介するのはモンスターバースシリーズの第5作「ゴジラvsコング」です。
この作品は、レジェンダリーピクチャーズ展開する、モンスターバースシリーズの5作目で、日本を代表する怪獣「ゴジラ」と、アメリカを代表するモンスターである「キングコング」(※本作ではコング)の対決を描くハリウッド作品になります。

制作は「ダークナイトトリロジー」や「300(スリーハンドレット)」、「パシフィック・リム」のレジェンダリーピクチャーズ。最近では「DUNE 砂の惑星」もいい映画でした。

1962年に公開された東宝作品「キングコング対ゴジラ」では、キングコング優勢のまま海に落ちたゴジラ。勝敗はあやふやなままでしたが、今回ハリウッド作品という事で、ハッキリ決着がつくのか否かも見所です。
しかし、モンスターバースシリーズに登場する大猿は、キングコングでは無く「コング」と言う名称になっています。これはモンスターバース2作目「キングコング:髑髏島の巨神」の原題「Kong: Skull Island」でも解ります。邦題は、日本人解りやすく、プロモーションの問題でしょう。

最初に結論から言っちゃいます。もちろんネタバレはしないですよ。

まず、この映画はストーリーを楽しむ作品じゃなく、ゴジラとコングのド迫力な戦いを、でっかいスクリーンで楽しむ映画です!
CMでも公開されてますが、船で運ばれるコングに海から襲いかかるゴジラのシーンはホントに最高のファーストコンタクトで、それだけで期待はMAXです!

まあ、私は公開前にyoutubeで公開されたコングを猫に置き換えたファンムービーのおかげで、あのシーンのゴジラは猫にしか見えませんでしたが……。猫パンチがゴジラを襲うシーンが脳裏に焼き付いてしまいました。2種類あります。

一本目の動画に出て来る黒猫はオウルキティ(owl kitty)さんと言って、この他にも「ジェラシックパーク」や「タイタニック」等、様々な映画のパロディ動画に出ている芸達者な猫さんです。

個人的には「ジュラシックパーク」パロディが一番好き。

 

かわいい。

それを差し引いても、これからどうなるんだろう? ゴジラとコングどっちが勝つんだろう? .特撮ファンとしてはワクワクが止まりません!

だから所謂「怪獣プロレス」が好きな人や、お子さん連れには最高の作品です。

まあ、ストーリーと設定はガバガバですが……。

お話は――という前に、モンスターバースシリーズの設定を簡単に説明しますね。
知らないで観始めると、ポカーンとしてしまう部分がありますので。

SFの世界では地球空洞説と言うのがありましてー、この作品も同じ様な設定なんですね。
簡単に説明すると、我々が暮らしている地表の下は空洞で、そこに怪獣達が住む世界があると言う設定。地球の中に東宝映画「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」に出てくる怪獣島みたいなのがあるって感じです。

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怪獣等の決戦 ゴジラの息子

そこがゴジラやコングの故郷で、太古の昔からゴジラとコングは何度も戦いを繰り返すライバルだった訳です。えー、確かそんな感じ……。

ここからネタバレ
ストーリーに関わるほぼ全てを交えながらお話しします。

物語は、前作の舞台である髑髏島から始まります。
だらけきった表情で、のんびりホワホワしたコングがいきなり怒りの表情で木を引き抜き、枝を削ぎ落とし槍のようにした木を空に向かって投げ付けます。
コングが投げた木の槍は空に突き刺さり、一部が破壊される――そう、コングがいるのは、自然に囲まれた島を模した巨大なドーム状の施設だったんです。
しかし、あれだけ油断した表情でだらけきったコングがなんでいきなり怒り出したのかが解んないんですよね。進行の都合でしょうか?

地球空洞説における内部の世界、ゴジラやコングら、怪獣たちの故郷に向かう為に髑髏島でコングを管理し、地球内部へ向かうマシンを作り上げた組織「APEX」は、地下にある金になる資源とかを狙ってコングの帰巣本能を利用し、地下空洞世界への道案内をさせよう企みます。
コングを眠らせ、南極へと船で運ぼうとした矢先、海からゴジラが襲い掛かります!

CMにも使われたコングが海面を覗き込んでいるとゴジラが海中から突き上げてくる大迫力なシーンです。
まあ、私はゴジラVSオウルキャットのシーンが浮かんでしまうんですが。

水中でも戦えるゴジラと、水の中では呼吸ができないコング。舞台は護衛の艦隊を利用した戦いになります。
海から攻撃してくるゴジラに対して、持ち前の跳躍力を駆使して、エヴァ弐号機の如くアメリカ艦隊を飛び移りながら戦うコング! アスカ来日です!
そして、ゴジラとコングが空母の上で殴り合う!

二匹が乗っても沈まない空母!

さすがアメリカ海軍ですね。

コングが船上でグロッキーになると、APEX陣営は驚くべき作戦に出ます。

エンジンを切り、音を立てない様にして死んだふり作戦でゴジラを騙す『死んだふり作戦』です。
Uボートじゃないんだし、そんなんで騙される訳ないじゃん!
しかし、まんまと騙されるゴジラ! めっちゃアホっぽい!! 正に本能のみで動いてる脳みそ小さい爬虫類と言っても過言ではないでしょう。ていうかそんな作戦、熊でも騙されませんよ。

ここでコングと意思の疎通が出来ている様な聾者の少女が登場します。
驚く事に、ここでコングはこの少女と手話で会話をするんです。
原始人が道具を覚え、コミニュケーションを覚えて行く進化を見るようです。火が使える様になれば完璧! 正に『サピエンス全史』!

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そして少女とコングは人差し指と人差し指を突き合わせて心を通わせます。正に「ET home phone(ET オウチ デンワ)」です。脳内にETの声が響きます……。

ああ、コングと少女はこれから色んな手話を覚えたりして交流していくんだ……と思ったのも束の間、地球内部へ向かう入り口である南極で、なかなか内部に向かおうとしないコングを少女が手話で説得するんです。

「もしかしたら家族がいるかも」

それを見たコングは一気に入り口へと走り出します!
完全に手話を理解しています。手話マスターコングの誕生です。
いや、手話というよりも人が使う言葉の意味を理解してます。
こんな複雑な会話が出来るなんて凄いっすコングさん! カッケーっす! ただのでっかいゴリラだと思ってましたが、これからは『コングさん』と呼ぼう。

南極に付いたコング様一行は地下のコング一家の王宮らしき場所で、ゴジラの背鰭を使って作られた斧を発見します。同時刻、メカゴジラの気配を感じてゴジラは香港に向かいます。そこで地中のコングの気配を感じたゴジラさんは、地表に放射熱線を吐き、地下世界のコングさんを襲います!

放射熱線で地上から地下世界まで地球に大穴開けちゃったよゴジラさん……。

なんて凄いんだレジェゴジさん!
内閣総辞職ビームなんて目じゃないね!

その大穴を挟んで睨み合うゴジラとコング!
コングはゴジラが開けた大穴に飛び込み香港まで一気にゴジラのいる香港へ向かうコングさん!

コングが落ちる速度って、秒速50kmらしいよ、貴樹くん。(※適当)

香港の高層ビルの間を高速で移動しながら戦うゴジラとコング!
その姿は正に『エメリッヒ版ゴジラ』、通称ガッズィーラ(GODZILLA)です!

マグロ食うか? マグロ。

ネオンでライトアップされた香港で戦うゴジラとコング! ピンクのネオンがなんかやらしいです。
ゴジラの放射熱線がコングを襲う!
地球に空洞を開けてしまう程の威力を持つ放射熱線を背中に受けてもすぐ復活!
強いぞコング! 硬いぞコング!
発される放射熱線を有楽町の東京交通会館の最上階にある展望レストラン『東京スカイラウンジ』みたいな円盤型の展望台で受け止めるコングさん!

さっきビルを真っ二つにしてたのは気のせいでしょう!!
しまいには、地下空洞世界から持ってきた『ゴジラの背鰭から作った斧』で放射熱線を受け止めちゃいます!!
しかし、そんな物理的にありえない展開も、スクリーンの大迫力の戦いの前では無意味です。もう、永遠に続いてくれないかな、この戦い……って位に素晴らしく、迫力ある戦闘シーンです。
ゴジラがコングを踏みつけた際の、足の指の動きが妙にリアルで気持ち悪いくらいです。
ポンポさん風に言えば、「これこれ、こう言うのが見たかったのよ。(くぅぅ〜〜)」って感じです!

さあ、ここでお待ちかね。ハリウッドデビューの小栗旬さん登場です!
私は英語が話せないので、発音の善し悪しは解らないんですが、驚く事にセリフが英語なのに関わらず、邦画芝居です!
少したどたどしい英語のセリフに邦画によくある表情芝居が重なって、なんか異世界に紛れ込んでしまった様な違和感があります。
そしてあんまり見せ場も無いままストーリーは進みます。

この役いるのかな?

そう思いながら観ていると、おそらくこの映画最大の見せ場がやってきます。
そう! 小栗旬さん演じる「レン・セリザワ」が操るメカゴジラの登場です!

このメカゴジラ、登場まで存在は明かされない予定だったそうですが、新型コロナウィルスによる上映延期で、フィギュアの発売の方が早くなってしまい、まさかの公開前にバンダイさんによるネタバレを食らうと言う珍事が起こってしまいました。

※ネットにはそれなりに情報が出ていたそうですが、自分はなるべくネタバレになりそうな情報は排除して、初日に観に行くスタイルなので。

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そしてそのメカゴジラ、前作に登場したギドラ(キングギドラ)の頭蓋骨を利用した量子コンピューターで、トランス状態になった小栗旬さん演じるレン・セリザワとリンクして操縦するんです。
トランス状態になって、白目剥いてブルブル震えると言う芝居をしながらメカゴジラを操る小栗旬さん。

ドリフですか?

って言うかね、誰だよ、こんな芝居付けたの!
日本の役者舐めてんだろ!!
これが仮に前作である「GODZILLA ゴジラ」に登場した渡辺謙さんだったら白目なんて剥かせなかっただろ!
なんで2022年になったと言うのに、80年代のコント観せられなきゃいかんのか! って、ムカムカが治らなかったですよ。

話題になった小栗旬さんのハリウッドデビューは、白目剥いた印象で終わってしまいました。とても残念です。

こっちが白目剥きたいですよ。

目といえば、同じモンスターバースシリーズの「髑髏島の巨神」で、コングを眼力だけで追い払った「サミュエル・L・ジャクソン」とはえらい違いです。まあ、「髑髏島の〜」は、そこしか見所は無かったし、むしろそのシーンの為にあの映画があったんじゃないかって思える位のインパクトだったんですけどね。サミュエル・L・ジャクソン最強!! その眼力で睨んで、エゼキエル書二十五章十五節を唱えながら迫れば、ゴジラだろうがメカゴジラだろうが尻尾巻いて逃げ出しちゃいますよ!

 

まぁ、しかしこの白目カゴジラ、肩幅が広いし身体のバランスが変なんですよ。しかもなんかおもちゃっぽい。日本のブルマァクのデフォルメデザインのソフビとは違った感じの……そう、マテルとかアメリカのトイメーカーが造るプラスチックでいっぱいジョイントがついてて子供がガッシャンガッシャン遊ぶあんなおもちゃっぽい。

で、そのおもちゃっぽいメカゴジラ、もの凄く強いんですね。ゴジラやコングがピンでかかっても歯が立たないレベルです。さすが小栗旬さんが白目剥くだけあります。

そして私的に最悪の展開が待ってます。
メカゴジラのあまりの強さに、ゴジラとコングが共闘して戦っちゃうんです。
太古から、幾度も戦ってきた宿命のライバル。どちらも本能で相手が地球のどこに居ても、居場所を察知して戦いに行く程の相手ですよ?

いや、「ゴジラVSコング」ってタイトルだし、観客は東宝制作の「キングコングVSゴジラ」で付かなかった決着を見たい訳じゃないですか! 公開前のインタビューでは、ハッキリ決着が付くとか言ってた様な覚えがあります。だから期待したんですよね。

言うならば、アントニオ猪木とジャイアント馬場の一騎打ちに上田馬之助が乱入してきて、馬場と猪木が共闘して16文キックと延髄切りで馬之助を倒してリング外に追い出してノーコンテスト、リング上で馬場と猪木はガッチリ握手して検討を讃えあうみたいな茶番を見せられた気です。それ位、ゴジラとコングの戦いは特撮ファンにとっては大事なもんなんですよ。
どっちのメンツも立たせる為に、ラストは共通の敵が出てきて共闘とか、確かに熱い展開ですけど、またこのパターンか……というか、この映画ではやってほしくなかった。ふざけんなレジェンダリーって感じです。

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「空の大怪獣 ラドン」は本当に名作なんで、一見の価値ありです。

もう角川が、ガメラと大魔神とガッパとギララとネズラで日本版モンスターバースを作るしかないんじゃ無いでしょうか? あ、「希望」とかも入れます? ※大怪獣のあとしまつ

まあ、そんなの見たくはないですけど。

色々と言いましたが、先程も言った通り、ゴジラVSコングVSメカゴジラの戦闘シーンは大迫力で、CGもここまで来たか! と唸るレベルで、怪獣(メカ含む)が戦ってる間はSF設定がボロボロだとか、人間側のドラマが適当だとか、辻褄が合わなくて「???」となってしまおうが、それを吹き飛ばすだけの迫力があります!
もうね、怪獣バトル最高! って感じです。

だからこの映画は、とにかく怪獣バトルが見たい! って人にはオススメです。
でも、自分みたいにストーリー至上主義で、おかしい箇所があるとそれがノイズになっちゃう方にはオススメ出来ないかな……。
逆に「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の様に、友人何人かで集まったり同時視聴したりしながらツッコミ鑑賞会とかやったらめっちゃ面白いと思います。逆にそっちがオススメかも。

最後になりますが、ゴジラとコングの決戦の舞台が香港だったじゃないですか? 香港って『Hong Kong』って書きますよね? キングコングは『King Kong』です。何でKとHが違うだけで、キングコングはキングコングって言うのにホンコン(香港)はホングコングじゃないんだろうって中学の頃に凄く考えたんですよね。当時はネットも無くて調べるのも億劫だったのでそのまま忘れてたんですけど、今回の作品でコングが香港で暴れてるシーンで、思わず「ホングコング……」って声が漏れちゃいましたよ。もしかして、製作陣も同じ思いだったのかなって思います。

すいません、嘘です。 レジェンダリーが中国のファミリー企業傘下だからですよね。ハリウッドはそう言う所露骨なんですぐ解ります。

でもまあ、本当に『ホングコング』だったらいいなーなんて想像したりしてます。

まあ、とにかくゴジラVSコングVSメカゴジラの大迫力の怪獣バトルと、小栗旬さんの白目を見て下さい。
で、どんな感想を持ったか是非教えて下さい。

しかし、怪獣は地下世界からやってくる設定なのに、同じ地下にいるであろうゴジラとコングはなんでトムとジェリーみたいに追っかけっこしないんだろう?

という感じで、それでは本日はこの辺でお仕舞いにしましょう。
またお会い出来るのを楽しみにしています。

鈴木さんでした。

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