テレビアニメ「ウマ娘 プリティーダービー」鈴木さんの感想【ネタバレ】

ウマ娘 プリティダービー 感想

友人等と今面白い漫画とかアニメとかの話になったんです。友人の一人が、「ウマ娘ってどうなんですか?」って聞いてきたんです。そうしたらもう一人の友人(競馬好き)が、「いや、あれさー、競走馬って雄も牝もいるのに全部女の子なんだよ、それがねー」って、嫌そうな感じで言って来まして、自分は「いや、あれはいい話ですよ」とは言ったものの、擬人化のマイナス面と、アニメに慣れていない人が陥り易いイメージってのを久しぶりに感じて、自分もかつてそうだったなーと思い出してみたり。

美少女アニメだったり、オタク向けと言われる作品ってなんか壁があるんですよ。

自分は『まほろまてぃっく』の件でそれを乗り越えれましたが、アニメや漫画に慣れていない方から見るとそれってかなり強固なイメージの壁だったりするんです。

私は物語中毒とでも言うんでしょうか、ストーリー蹰かな? なのでいつも物語に飢えてる訳です。自分では想像もつかないストーリーだったり、予定調和でも、それがとても面白い演出だったり美しいストーリーだったりすれば凄く満たされます。どんなストーリーでも、自分を圧倒する様な話に巡り合いたいと思っていつも飢えてる状態なのです。

『ウマ娘』は、そんな自分を満たしてくれた作品なので、内容も観ないでイメージで敬遠されるのはやっぱり哀しいなと思ったんですね。

だから、このブログを見に来てくれた方で、『ウマ娘』なんてオタク向けの擬人化美少女アニメじゃんって思ってる方がいたら、ちょっと自分の話を聞いて欲しいんです。

自分はアウトプットが下手だし、考察も批評も出来ないけど、『ウマ娘 プリティーダービー』って作品は競馬を知らなくても、知っていれば尚更楽しめる作品だと思ってるんです。

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正直な話、自分も最初はまた安易な擬人化アニメかって思いましたよ。しかも自分が一番競馬にハマってた時期の競走馬ばかりですし、これで百合展開にでもなったら目も当てられないクソ作品になるかもしれないし、競走馬、それもトウカイテイオーに相当な思い入れがある私にとってはそうなったら許せない気持ちも大きかったんです。それにこの『ウマ娘』はソーシャルゲームの企画から始まった訳で……

正直に言います。ゲームのシナリオって、ストーリー重視のノベルゲームはいいんですが、キャラクターを前面に押し出した戦闘や育成とかがメインのゲームってキャラを優先でキャラクターに感情移入してる人向けって言うか、あまりストーリーに力を入れてない感じがするのばかりと言うイメージがあるんですよ。今まで色々見てきた中ではですが、結構適当にやってる感じのが多くて、ウマ娘も嫌な予感しかしなかったんです。しかしゲームは開発が遅れてアニメが先に放送される形に。

お話は上京して来た『スペシャルウィーク』が、『サイレンススズカ』の走りを見て憧れると言う所から始まるのですが、サイレンススズカと言えば『沈黙の日曜日』。1998年、秋の天皇賞でレース中に骨折し、予後不良と判断され安楽死の処置がされたあの日です。

もちろんレース中に骨折した馬がどうなるかは解ってるつもりです。トウカイテイオーの様に、レース後に骨折が見つかった場合や、軽傷の場合は厩舎に戻って静養する事になりますが、最悪の場合は安楽死です。ハラハラしながらテレビを観てたのを思い出します。

しかし、所謂メインキャスト級での登場に、この日の事をどう描くかは心配でした。

結果は、スペシャルウィークの咄嗟の判断で最悪の事態にはならず、復帰してレースで優勝するまでに回復するんです。つまり、そうだったらいいなと言う『if(もしも)』のストーリーになってるんです。

史実を元にした映画やドラマって、解っている結末に向けて進んで行く物語が、観ている側にカタルシスを感じさせるんです。

例えば、近年話題になった『ボヘミアン・ラプソディ』。これもラストは『フレディ・マーキュリー』の死に向かってストーリーは進みます。多少の改変はあったけど、納得行くストーリーでした。

逆に、『Facebook』の創業者、『マーク・ザッカーバーグ』を描いた『ソーシャルネットワーク』。これは本人から「全然違う」と言われる程、真偽が不透明に改変されたものでした。

しかし『ソーシャル・ネットワーク』は作品としては一級品で、時間がある方は是非見て欲しい位の映画なんですよ。

話はそれましたが『ウマ娘』に戻ります。

まず、アニメ一期を見た時の感想なんですけど、自分が思ったのは、競馬の残酷な部分を痛感しただけだったんですよ。

確かに『サイレンススズカ』はアニメの物語の中では、骨折から復帰して勝利します。そして海外へ遠征すると言う形で皆の前から姿を消します。

しかし現実は、予後不良での安楽死なんです。テレビ中継とは言え、リアルタイムで見ていたので、凄く複雑でした。わかるんです、『サイレンススズカ』があの時粉砕骨折をしなくて無事厩舎に戻って復帰、もしくは種牡馬として余生を遅れたらと言う「if」の物語、ファンが夢見る展開だと言う事は凄くわかるんです。

でも、自分には当時、「どうか助かってくれ!」と言う思いでテレビを見ていた記憶が強く残っているんです。それを変えてしまっていいのか? と言う思いが消えませんでした。競馬の残酷な部分を思い出した印象の方が強くて、とても複雑でした。

そして二期がスタートします。

今回は自分が今までで一番好きだった『トウカイテイオー』、そして当時最強の称号を得た『メジロマックイーン』を中心とした話です。

一期の事もあって、凄く複雑な気持ちで見始めました。

展開はコミカルな中に実際のエピソードを織り交ぜながら、徐々にシリアスな展開になって行きます。

なんというか、『ライスシャワー』の登場は『サイレンススズカ』の件もあり不安でしたが、当時ファンやマスコミに悪役扱いされて、関係者に「馬の擬人化はよくない」とまで言わせた一連のくだりを、ライスシャワー自身が克服すると言う物語になっており、納得の行くストーリーになっていました。

そして物語は『トウカイテイオー』と『メジロマックイーン』中心に進んで行きます。

当時、最強の一角を成した『トウカイテイオー』ですが、怪我に泣かされる事も多く、期待を裏切る事も多かったんです。そして間違い無く当時最強と言っても過言では無い『メジロマックイーン』。距離的には少し違うのですが、絶好調の二頭が勝負したらどうなるんだろう? いや、トウカイテイオーに勝って欲しいと当時は思っていたものです。

そして『メジロマックイーン』の繫靭帯炎が発覚し、引退へ。

マックイーンとテイオーの対決は夢幻となったんです。

そして、物語のラスト。トウカイテイオー最後のレースとなる有馬記念へと話は進みます。

当時、実力、人気共に最上位クラスであった『ビワハヤヒデ』も出走します。当然優勝候補です。

自分は夕方から仕事があった為に、有馬記念が行われる中山競馬場へは行かず、渋谷の場外馬券場へ行き、トウカイテイオーの勇姿を見ていました。

当時最強の騎手と思っていた岡部騎手はトウカイテイオーからビワハヤヒデへ。トウカイテイオーは田原騎手へと変更。更にレース出場は一年振り。誰もがトウカイテイオーの勝利は無いと思っていたと思います。

しかし単勝人気では4番人気。自分もトウカイテイオーの単勝を買って祈るようにレースを見ていました。

これから先は言う事でも無いでしょう。トウカイテイオーは一年振りのレースに優勝し、見事に蘇ったんです。しかし、もうメジロマックイーンとのTM対決は叶わぬ夢となってしまいました。

そして次はと思う中、引退。

この時から自分は馬券を一切買わなくなり、競馬は見ていましたが、どこか冷めていたと思います。

『ウマ娘』は実際の競走馬のエピソードをうまく取り入れています。マチカネタンホイザの鼻血とか、空気を読まないで逃げ切ったツインターボとか、追い込んで追い込んで絞り込んだ馬体でレースに挑んだライスシャワー、当時競馬が好きで新聞やテレビを一生懸命見ていた記憶が蘇って、この作品を作っている方達は、競馬が本当に好きなんだな。と感じさせました。

そしてアニメ二期のラスト。『トウカイテイオー』と『メジロマックイーン』を待ち構える運命。

本当にこの二頭が、会話が出来ていたら、こういう関係でいたんじゃないかって本当に思いました。

ラスト、トウカイテイオーが有馬記念で優勝した時も、結末は解っていても応援せずにはいられなかったし、最後の二人でトラックを走るシーンでは涙が止まりませんでした。

そして思ったんです。

ウマ娘で描かれた『if』の世界は、登場人物(馬)達に幸せになって欲しいという製作者の表れなんだって。

その頃には、一期における『サイレンススズカ』のストーリーも好意的に受け取れ、競馬の闇の部分もこの作品には不必要なんだと思うようになりました。

擬人化と言うと、悪いイメージを持つ方も多いと思います。

自分も安易な擬人化には反対です。

でも、そう思う方にこそ、この「ウマ娘 プリティーダービー」は観てもらいたいと思うんです。

そして当時、競馬が好きだった方や、今でも好きな方は、是非作品を観て、当時の事を思い出してみて下さい。

ちなみに『ヤンジャン!』で連載されている『オグリキャップ』を主人公にした『ウマ娘シンデレラグレイ』もオススメです!

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それでは本日はこの辺で。

またお会い出来るのを楽しみにしています。

鈴木さんでした。

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