※この時期は「ひぐらしのなく頃に」&「ひぐらしのなく頃に解」のネタバレを含みます
ようこそのお運び誠にありがとうございます。
鈴木さんでございます。
今回は「ひぐらしのなく頃に」のお話をしたいと思います。
2020年である今年、新番組が放送されていますが、今日はいわゆるアニメ1期である「ひぐらしのなく頃に」と「ひぐらしのなく頃に・解」や同人ゲームなんかの思い出を踏まえてお話したいと思います。
ひぐらしのなく頃にって言うと、当時実際に起こった事件を問題にして放送を途中で休止になった問題とか、暴力や猟奇殺人と言った過激なシーンがあるイメージで敬遠してた人もいると思うんですよ。
実際そのイメージ強いのか、オススメした方に「ひぐらしって残酷なヤツでしょ?」って嫌な顔された事もあります。
でもね、作品のテーマは真逆なんです。
この作品が最初に発表されたのは2002年の夏、同人ゲームでした。
自分は「面白い作品がある!」って評判を聞いて、ゲームの第一章である「鬼隠し編」をプレイしてから続きが気になって、続編が発売されるコミックマーケット(コミケ)に行く友人に頼んで買ってきてもらってました。
まずこの作品、第一章「鬼隠し編」のラストで全ての謎が解決されないまま主人公が死ぬ、いわゆる「バッドエンド」を迎えます。
でも、物語が進んでいくと正解は大体こういう感じなんだろうなっていうのは、この「鬼隠し編」の時点で想像出来るし、終わってみると大体合ってるんですけど「惨劇に挑め」とか、「正解率1パーセント」っていうキャッチコピーと、謎のまま終わった結末から考察サイトが立ち上って、ここはこうじゃないかという論議が活発になっていって、それを読んでいるうちになんかこんがらがってきて更にハマっていくという不思議な作品でした。
ストーリー的には、第一作目の「鬼隠し編」の冒頭、主人公たちの日常が描かれるんですけど、本当に楽しそうに遊んでるんです。
そしてだんだん不穏な空気になって「鬼隠し編」はラストに突入するんですが、この主人公たちの楽しい日常が長かったからこそ、最後のシーンとの対比が物語を際立たせて、凄く魅力的な要因になってるんです。
そして物語は出題編である4つの物語と、解決編である4つの物語を経て完結を迎えます。
この期間、約4年。
凄く楽しみにしてました。
皆殺し編のラストは、テキストで進むノベルゲームながらも臨場感は半端なく、ドキドキしながら「ああ……なんだよ、もう……」という感じで、最高の引きでラストの章へ繋ぐという素晴らしいストーリーでした。
しかしまあ、最終章である「祭囃し編」は残念ながら自分の好みには合わなかったんですが、全ての答え合わせが出来ましたし、全体的な満足度は高かったです。
今作の魅力はそのストーリーテリングの妙にあるとともに、惨劇に隠されたテーマにあると思うんです。
この「ひぐらしのなく頃に」ですが、出題編と解答編があって、「鬼隠し編」と罪滅ぼし編」と「綿流し編」と「目明し編」は二つで一つの話になっています。
自分がオススメするのがこの4つのお話なんです。
ここからネタバレ前回でお話しますので、まだ観ていない方はここで一旦お別れです。
ひぐらしのなく頃に」はこちらで視聴出来ます。
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ここからは観た事あるよーって言う方と、ネタバレなんか気にしねーぜ! なんでオススメなのか教えろやー! って方に。
まず「綿流し編」と「目明かし編」。
この話、ラストのおかしくなっちゃったシーンを置いといて物語全体を見ると、凄く切ない愛憎物語なんです。
この話の中心人物である双子の妹、詩音。彼女が惨劇を引き起こすキッカケが、姉である魅音が恋心を寄せる前原圭一が景品で貰った大きいぬいぐるみを、目の前で他の女の子にプレゼントしてしまい、それがショックで妹である詩音に電話で相談するんですが、それを聴いた詩音は、魅音は好きな人の事でショックを受けているけれど、自分の好きな人=悟史は行方不明で生きている可能性はほぼ無い。私はもうそんな思いを描けないんだと嘆き、その思いから雛見沢症候群を発症し、次々と事件を起こしていくんです。
いや、こんなの実際にあったらどれだけの絶望か。
このエピソードが、「ひぐらしのなく頃に」にハマった一番の理由でした。
そして「鬼隠し編」と「罪滅ぼし編」。
この二つのエピソードは、誰も信じられなくて疑心暗鬼になってしまいクラスメートを撲殺してしまった圭一と、同じく仲間を信じられなくなり事件を起こしてしまう竜宮レナの話が裏表の話となって描かれます。
このエピソードは、「一人で悩まないで仲間に相談しよう」と言う事がテーマになっています。
いじめや様々な原因で自殺しようとしたり、自暴自棄になって何かコトを起こしてしまう人って引き返せないゾーンまで行ってしまってる様に思うんです。
そういう状態になってしまうと、衝動的な行動をとってしまったり感情の暴走が止まらなくなってしまうんでしょう。
自分も結構ヤバい状況に追い込まれて、なにがなんだか分からなくなっていった事を経験してまるからそう思うんです。
いや、あの時はマジでヤバかった。
仕事で大失敗して、会社のベランダで下を見つめて「ああ、もうどうしたらいいかわかんない」ってボケーっとしてました。
我に帰ってへたり込んでたのをよく覚えてます。
だからこそ、このエピソードは響きました。
一人で悩んでいる方に力強いメッセージになると思うんです。
アニメ版「ひぐらしのなく頃に 」26話で、レナが圭一を追い詰め、自分のやってきた事に気付いた時のなんとも言えない複雑な表情。このカットは素晴らしく、涙が出ました。
©️竜騎士07/07th Expansion, スタジオディーン,ひぐらしのなく頃に製作委員会,BS11TV放映画面より引用
「ひぐらしのなく頃に」というと惨劇のイメージが強いんですが、自分は「一人で悩んでいる人の心を助ける」作品だと思っています。
そして、何かに悩んだり追い詰められた時はこの作品を思い出して欲しい。
そんな気持ちになる作品だと思います。
自分的にオススメな見方は、まず「鬼隠し編」。次に「綿流し編」。そして「綿流し編」の解決編である「目明かし編」。そして「鬼隠し編」の回答編である「罪滅ぼし編」。
実はこの4編だけでも十分「ひぐらし」のテーマは解ると思うんです。
だからこの4編は絶対に観て欲しい!
この4編を観て、作風が気になる方や結末が気になる方は全話観るのがいいかななんて個人的には思います。
自分的に、どうしてもラストの 鷹野三四さんの犯行に及ぶまでのプロセスがダメだったんですよ。
なのでおすすめした4編だけでいいんじゃないかと……。
嘘です、特に自分がいいと思たのがこの「鬼隠し編」と「綿流し編」の表裏だという事と、なんか合わないかもと観るのをためらってる方にも是非観て欲しいのがこの4編なんです。
最後にひとつだけ。
キャッチコピーにある「惨劇に挑め」「正解率1パーセント」という文面から、この作品はミステリーだと思いがちですが、実はファンタジーです。
自分もミステリーと思い込んでいて、途中で何基も「あふぅ……」となっちゃったんで、そこだけは解って観た方がいいと思うんです。
まぎれもない名作と思います。鈴木さんオススメです!