ようこそのお運び誠にありがとうございます。
鈴木さんでございます。
本日TBSでドラマ「半沢直樹」2期が最終回を迎えました。
前シリーズから7年経っての続編でしたけど、自分的にはイマイチな印象だったんですよね。
理由その1:脚本
自分の好きな演出家&執筆家の方が昔、映画は監督のもの。ドラマは脚本家のもの。舞台は役者のもの(要約)と、おっしゃってらしたのですが、自分もそう思うんです。
今回の「半沢直樹」2期は脚本が弱かった気がします。
1期の時はどんどん話に引き付けられて行ったのですが、今期は行き当たりばったりの展開というか、正直「え? それで解決しちゃうの?」という展開ばかりでなんかどんどん冷めていくのがわかりました。
理論的に追い詰めて追い詰めて解決じゃなくて、怒鳴りつけておしまい……みたいなのばかりで緩急や間合いのような、こちら側で感じるような展開があまりなかった。
理由その2:役者の暴走。
今回のドラマ。早々からアドリブが大々的に報道されてきました。
そして顔芸です。
そのおかげで話題にはなって盛り上がるし視聴率も良くなるから、番組的には万々歳でしょうが、それだけになってる感じがするんですよね。
もちろん脚本が弱いから、それを補わなくちゃという危機感があったのかもしれないので何とも言い難いんですけど、完全に役者の暴走に見えちゃったんです。
前々から感じてるんですけど、日本のドラマって「説明芝居」が多過ぎるというか、全てが大袈裟だと思うんですよ。
そこに今回の悪目立ちするような顔芸がプラスされてしまい、それを視聴者が喜んで話題にしちゃうと、それでいいじゃんって思われちゃうじゃないですか。
そうなると日本のドラマはそんなのばっかりになっちゃいます。
それじゃなくても日本の役者って余計な事ばっかりするから、世界を相手に見た場合ガッカリするんですよ。
あ、コメディは別。大袈裟に演じたり、顔芸やリアクションで面白くするものですからね。でも私は間合いを上手く使う笑いが好きですが……。
かつて庵野秀明監督が「シン・ゴジラ」でわざとセリフを詰め込み、それを早口にさせて役者に「余計な事をさせない」という手法を執った時に、「こんなやり方があったんだ!」って思った事があるのですが、このまま役者のやりたいようにやらせていくのが続いていくなら、世界と勝負するなんて夢また夢ですよ。
2019年に公開された韓国映画「パラサイト 半地下の家族」がアカデミー作品賞を受賞して話題になりましたが、日本の映画はこのままじゃ相手にされないと自分思うんですよ。
まあ、「パラサイト~」のアカデミー賞に関しては色々思う所ありますし、やってる事も芝居も日本とあまり変わらないので、日本映画より韓国の映画の方がすげーじゃん! とはならないのですが、日本はこのままじゃ本当にダメだと思う。
もちろん、役者さんは監督やプロデューサーに求められる芝居をしてるんだから、制作陣も意識を変えないといけないと思います。
日本にもいい作品はたくさんあります。ただ、単館公開だったり、テレビで放送されなかったりと目に出来る機会が本当に少ないんです。
そういう作品にがもっと日の目を見れば、説明芝居や顔芸に頼る今のドラマや日本映画がかわっていくんじゃないかって思うんです。
だって、役者は自分を見せるんじゃなくて作品を見せるものなんですから。